ローマでテレビ・インタビューされた。

昨日の続きです。



僕は昨年、ローマに行ったとき、

「ローマの休日」に登場するロケ地を

かたっぱしから観てきました。



フォロ・ロマーノもトレビの泉も

スペイン広場もコロッセオも

もちろん真実の口も観てきました。



きっと道端で可愛い女性が寝ているはずだ、と思って、

深夜になってもずっと歩き回っていたりしていました。



タクシーを止めるために、口笛の練習もしたりしました。



記者になったんだから、あとは王女と出会うだけなんだ、と思ったりもしました。



王女と二人で、盗んだバイクで、走り出すんだ、と考えたりもしました。



ところが、実際は、なんたることか、

労働紛争のデモ行進がローマで行われて美術館がお休みになったり、

大雨が降った上に車に水をかけられて全身がびしょぬれになったり、

といまどき三流ドラマさえ使わないような悲しきシーンの連続で、

もうローマなんて嫌いだ、たいして働いてもいないクセに、

労働運動ばっかりしているんじゃないよ、まったく、と

マー坊はもう怒りくるって今にも泣きそうでしたが、

最後の最後でとても素敵な場所に行けました。



コロンナ美術館です。



コロンナ美術館は、「ローマの休日」のラストシーン、

アン王女が記者会見する場面を撮影した宮殿なのです。



毎週土曜日の９時から１３時までしか開かれていない、

本当にわずかな時間しか開館していない美術館なのですが、

マー坊はここに足を踏み入れることができたのでした。



忘れもしない２００４年１２月４日（土曜日）に、

開館前の８時５０分くらいに到着したマー坊は、

だれよりもはやく中に入れさせてもらって、

たったひとりで、あのラストシーンの場所を見させてもらったのです。



本当に、僕しかいない状況だったので、

あのラストシーンを一人で演じてみたりしました。



そう、ジョー・ブラドリーが最後にひとりで立ち去ったシーンです。

僕はまるでグレゴリー・ペックのように、

ズボンにポケットに手を突っ込みながら、

様々な想いを胸に、惜しみつつ、その場を去るのです。



なんか、もう、泣きそうになりながら、歩きました。



ここに、オードリーがいたんだ、

ここで、エディが写真を渡したんだ、

ここを、ペックが最後に歩いたんだ。



なんか、もう、いろんな思いが重なったので、結局、

３回くらい、ひとりラストシーンをしてしまいました。



行ったり、来たり、です。



まったくバカみたい、

な感じなのだけれど、

個人的には大満足でした。



これからローマに行く人は、コロンナ美術館をオススメします。



というか、絶対に行ったほうがいいです。行かなくちゃダメです。



他の場所には、日本人がうんざりするほど、たくさんいて、

なんちゅうかもう、ぜんぜんイタリアやないやん、日本やん、

と思うくらいのローマ事情なのだけど、コロンナ美術館は違うのです。



ぜんぜん人がいません。係員くらいしかいません。

鑑賞者よりも係員のほうが人数が多いので、

経営的に大丈夫なのか、と思ってしまうほどです。



僕にとっては、２００４年１２月４日（土曜日）が、

二ヶ月に及ぶヨーロッパ旅行のラスト中のラストだったので、

本当にもうジョー・ブラドリー的な気分でした。最高だった。



そんな「Roman Holiday」的な旅行をしてきたわけなので、

現実でもそんなことがあればなあ、と今でも思っています。



綺麗な女性たちは、深夜道端でどんどん眠っちゃいましょう。



そうしてもまったく危なくなくて、

むしろ素敵な出会いがあることこそが、

理想の世の中だと、僕は思うのです。



Ｐ．Ｓ

ローマで観た舞台「ローマの休日」は最高でした。